
ERP導入プロジェクトでは、Fit/Gap分析は極めて重要な工程です。
・パッケージ標準に合わせる(Fit)
・個別対応する(Gap)
この判断が、
・導入コスト
・導入期間
・将来保守性
を大きく左右します。
しかし現実には、Fit/Gapを実施しているにもかかわらず、ERP導入後に問題が発生するケースは少なくありません。なぜ、このようなことが起きるのでしょうか。
1.最大の理由:Fit/Gapを「機能比較」として行っている
多くの企業では、Fit/Gapを次のように実施します。
・機能があるか
・帳票が出せるか
・処理ができるか
これは必要ですが、これだけでは不十分です。
2.本来のFit/Gapとは何か
本来のFit/Gapは、業務のFit/Gapです。つまり、
・この業務は標準化できるか
・この業務は本当に必要か
・この業務は競争優位に関係するか
を判断する工程です。
3.IT視点Fit/Gapが引き起こす問題
(1)問題①:不要業務が残る
現状業務前提になるため。
(2)問題②:カスタマイズが増える
Gapを埋めようとするため。
(3)問題③:将来コストが増える
アドオン維持が必要になるため。
4.業務視点Fit/Gapの考え方
成功している企業では、Fit/Gapを次の順序で実施します。
(1)業務必要性評価
(2)業務標準化判断
(3)業務差別化判断
(4)IT適合判断
5.非常に重要:「Gapを埋める」ことが正解とは限らない
多くの場合、
Gapを埋める=カスタマイズ
になります。
しかし、業務を変えるという選択肢もあります。
6.Fit/Gapを成功させる3つの質問
(1)この業務は本当に必要か
(2)この業務は標準化できるか
(3)この業務は競争優位に直結するか
7.Fit/Gapを難しくする組織要因
・過去踏襲文化
・部門独自文化
・例外許容文化
8.Fit/Gapで最も重要な意思決定
経営が決めるべきこととして、以下の3つが挙げられます。
・標準に合わせる範囲
・例外を許容する範囲
・差別化する領域
9.ERP導入を成功させるFit/Gapの本質
Fit/Gapとは、IT分析ではなく、業務と経営の意思決定プロセスです。
10.まとめ
Fit/Gapの成否は、IT理解ではなく、業務理解と経営判断で決まります。
Fit/Gap分析は、IT分析ではなく、業務設計・組織設計・経営意思決定の交差点です。これらを体系的に整理することで、ERP導入成功確率を高めることにつながります。

