
DX推進やシステム導入において、「To-Be業務(あるべき業務)」という言葉はよく使われます。
しかし現実には、
・To-Be業務を描こうとしても議論が進まない
・結局、現状業務の延長線になる
・理想像は出るが、実行できない
といったケースが多く見られます。なぜ、To-Be業務を描くことはこれほど難しいのでしょうか。
1.最大の理由:To-Beは「設計」ではなく「意思決定」だから
多くの企業では、To-Be業務を「設計作業」として扱います。しかし本来、To-Be業務は経営意思決定そのものです。
2.To-Beが描けない組織に共通する特徴
(1)特徴①:現状業務を前提にしてしまう
結果:
・業務削減ができない
・標準化が進まない
・例外が残る
(2)特徴②:部門単位で最適化を考える
結果:
・全体最適にならない
・統一ルールが作れない
(3)特徴③:「誰が決めるか」が曖昧
結果:
・議論が終わらない
・判断が先送りされる
3.To-Be設計で本当に決めるべきこと
成功している企業では、次の3点を必ず決めています。
・どの業務をやめるか
・どこまで標準化するか
・どこを差別化するか
4.非常に重要:「全部を良くする」は成立しない
To-Be設計は、必ずトレードオフを伴います。
5.To-Be設計を成功させる順序
(1)経営方針整理
(2)競争優位定義
(3)業務優先順位付け
(4)業務設計
6.To-Be設計を難しくする組織要因
・過去成功体験
・部門文化
・例外許容文化
・短期志向
7.To-Be設計に必要な経営の関与
経営が決めるべきこと:
・どこを標準化するか
・どこを残すか
・どこに投資するか
8.To-Be設計を「理想論」にしないために
重要なのは、実行可能性です。
9.To-Beを実行可能にする3つの視点
(1)業務現実性
(2)組織受容性
(3)投資合理性
10.DXが迷子になる瞬間
To-Beが曖昧な状態でIT検討が始まると、DXは必ず迷子になります。
11.まとめ
DXの成否は、ITではなく、To-Be業務を描けるかどうかで決まります。
To-Be業務設計は、IT設計ではなく、経営判断・業務設計・組織設計が重なる領域です。これらを体系的に整理することで、DX推進の再現性を高めることにつながります。

